付家老の職務を全うした。 犬山城・上廣歴史文化フォーラム2019レポート

犬山城・上廣歴史文化フォーラムが2019年10月19日(土)に開催されました。

その中で印象に残ったのは、付家老だった五家は大名を目指していたわけではなく、付家老としての立場を理解し、そして職務を全うしたのだろうと発表があったこと。

一体どういうことなのか? フォーラム全体についてもあわせてレポートします。

この記事は付家老に興味のある方におススメです。


付家老の職務を全うした。 犬山城・上廣歴史文化フォーラム2019レポート

 

2019年10月19日(土)に犬山城・上廣歴史文化フォーラムが開催されました。

犬山城・上廣歴史文化フォーラムについては、下記の記事↓↓↓をご参照ください。

犬山城・上廣歴史文化フォーラム2019

 

その中で筆者が注目したのは、3名のパネラーによるトークセッションにて、付家老の五家は大名を目指していたわけではなく、付家老の立場をよく理解してその職務を全うしたのだろうという見解をはっきりと言っていたこと。

これを詳しく解説するとともに、フォーラム全体も含めてレポートします。

フォーラム「付家老と尾張藩」の概要

2019年10月19日(土)13:30から、犬山市福祉会館で行われました。

フォーラムは2部構成で行われました。

第一部は「江戸城の中の付家老」と題して、徳川林政史研究所副所長の深井雅海さんによる基調講演。

第二部はシンポジウムで、パネラーは、筧真理子さん(犬山城白帝文庫主任学芸員)、白根孝胤(こういん)さん(中京大学文学部教授)、藤田英昭さん(徳川林政史研究所研究員)の3名でした。

第一部の基調講演では、江戸城の中の付家老ということで、江戸城における成瀬家の格式を中心に講演が行われました。

江戸での成瀬の屋敷の配置、登城の様子、御目見えと謁見の場所や方法についてを絵図などを基に発表されていました。

ここの説明はちょっと難しいので深井先生の研究論文などを参考にしていただくとよいかと思います。

※深井雅海氏「江戸幕府の政治運営に見る格式」(徳川林政史研究所「研究紀要」52号)

第二部のシンポジウムでは、3名のパネラーがそれぞれが時代ごとに担当されて付家老の動向について発表されました。

筧さんは江戸初期、付家老家が成立したころについて五家の二代目の経歴と将軍とのつながりや関係性について。

白根さんは近世中・後期における付家老の家格と幕藩関係について。

藤田さんは幕末の尾張藩付家老の動き、特に嘉永・安政期を中心に発表されました。

かいつまんでレポートします。

付家老はもともと個人に与えられた職務であって、立場や役職がはっきりと定まっていたわけではないことや世襲するということも不安定なものだったことから、2代目に継がれるときには将軍家がテコ入れを行う必要があったという興味深い話。

将軍と付家老との結びつきが強く、尾張藩における権力や影響力も大きかったということ。

江戸中期になると、付家老は大名と同等の家格を維持して幕藩体制や藩の体制の安定化に寄与していたため、付家老の「家格」という点に注目が集まっていた。

幕末になると、尾張藩主14代慶勝にとって付家老は影響の大きな存在であったこと。御三家は征夷大将軍を補佐する立場であるということを意識していたことなど、興味深い話でした。

ということで、家格については大名クラスということで与えられ、以後はそれを維持しながら幕藩体制の安定に寄与していたということですね。

しかし、その中で大名になりたいという動きはほとんど見られず、付家老としての立場を理解してその職務を全うしたのだろうということでした。

これは3名のパネラーが、それぞれ担当した時代から読み解いても、そのように考えるのが妥当だという共通の考えだったことが最も興味深かったことです。

しかし、内容がとても難しく、時代も長いため、歴史に精通していないとすべては理解できなかったのではないか?という点ではフォーラムの内容に少し疑問を持ってしまいました。

簡単に言うと、かなり玄人向けの内容。

付家老についても知っている前提の話でしたし。

付家老とは?

ということで、最後に付家老について簡単に触れておきたいと思います。

付家老とは、江戸時代の初めに「御三家」が創設されましたが、そのときに徳川家康が藩主に付属させた家老職で、尾張藩の成瀬家・竹腰家、紀伊藩の安藤家・水野家、水戸藩の中山家の五家のことを言います。

初期のころは御三家の藩主が幼少だったため、御守役もかねて藩政を担っていたと思われます。

また、将軍家と御三家とのパイプ役として、成瀬家の場合だと江戸と名古屋を行き来しながら忙しく働いていたようです。

「五家」の初代は、

尾張藩(初代藩主は家康9男の義直):成瀬正成、竹腰正信

紀伊藩(初代藩主は家康10男の頼宣):安藤直次、水野成仲

水戸藩(初代藩主は家康11男の頼房):中山信吉

まとめると、

・付家老は御三家(尾張、紀州、水戸)の家老である。

・徳川家康が御三家に付属させた。

・付家老は五家あり、尾張藩の成瀬家・竹腰家、紀伊藩の安藤家・水野家、水戸藩の中山家。

ということです。

これは最低限理解しておくと、付家老の立場や仕事についても理解しやすいと思います。

まとめ

犬山城・上廣歴史文化フォーラムが2019年10月19日(土)に開催されました。

付家老について深く考えるいい機会になったと思います。

参加できなかった方は、城とまちミュージアムで「付家老のお仕事」という特別展も開催されていますので、立ち寄ってみてください。

ということで、2019年の犬山城・上廣歴史文化フォーラムについてのレポートでした。

じゃあね🖐️

2019年10月21日
犬山城マイスター!たかまる。

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