正保城絵図(しょうほしろえず)、見てますか?
お城好きなら押さえておきたいのが正保城絵図です。
正保城絵図は正保元年(1644)に三代将軍・徳川家光が諸藩に命じて作成させた城の絵図のことです。
深掘りしていきましょう。
城好きなら『正保城絵図』は押さえておこう。
- 江戸幕府が諸藩に命じて作成させた城絵図
- 城の軍事機密を描いた極秘資料
- 現在残されているのは63点のみ
正保城絵図(しょうほえず)というのをご存知ですか?
正保元年(1644)に3代将軍・徳川家光(とくがわいえみつ)が諸藩に命じて作成させた城の絵図のことを「正保城絵図」と呼びます。
各藩の最重要エリアである城の軍事機密を描いた極秘資料と言えます。
正保城絵図は全部で157点があったようですが、現在残されているのは63点のみで、国立公文書館内閣文庫に保存されています。
少し深掘りしてみましょう。
正保城絵図は極秘資料
- 城郭の建築物だけでなく、堀の幅と深さ、石垣の位置と高さなど、城郭の配置や城下町の町割り、総構えの位置などが詳細に描かれている
- 城郭の軍事機密をこと細かに描いた極秘資料
- 江戸幕府が管理した
先にも書いたように、正保城絵図は正保元年(1644)に徳川幕府が諸藩に命じて作成させました。
城の無断改修や新築を禁じた武家諸法度を元和元年(1615)に出しましたが、それを取り締まるために諸藩の城の情報を得る目的で、絵図を作成させたのです。
絵図には城郭の建築物だけでなく、堀の幅と深さ、石垣の位置と高さなど、城郭の配置や城下町の町割り、総構えの位置などが詳細に描かれています。
- 城郭の建築物
- 堀の幅と深さ
- 石垣の位置と高さ
- 城郭の配置
- 城下町の町割り
- 総構えの位置 など
幕府に提出せざるを得なかったわけですが、これは各藩の最重要エリアである城郭の軍事機密をこと細かに描いた極秘資料です。
江戸幕府はこれをもとに、城の無断改修や新築を禁じ、厳しく取り締まっていました。
江戸幕府で保管されていましたが、明治になって江戸城が開城された時に多くの絵図が取り上げられてしまいました。
現在残るものは63点で、重要文化財に指定されています。
正保城絵図の描き方
- 描き方や表記の基準が幕府から出されていた
- 石垣や堀などの規模を明記すること
- 建物を描き、天守は階数も書くこと
- 城下町の道筋も細かく描くこと
正保城絵図の描き方や表記の基準については、幕府から各藩に通達が出されていたようです。
それをまとめると次のような内容でした。
- 本丸、二ノ丸、三ノ丸については、石垣、土塁、堀の規模を間数で書くこと。惣構えについては、堀の規模を書くこと。
- 天守、櫓、塀などを描くこと。塀については瓦塀、板塀を区別すること。天守については階数を書くこと。
- 武家地、町人地のいずれにおいても、細い道にいたるまで、道筋を図示し、道筋の長さを間数で書くこと。町人地については目抜き通り・脇道の別を明示すること。
- 城よりも高い場所があれば、城までの距離を間数で書くこと。ただし惣構えの外であれば、絵図に描かずに文言で書くこと。
結構こまかいですし、範囲が広いですね。
正保城絵図を見る方法
- 国立公文書館デジタルアーカイブで見る
- 「図説正保城絵図 -秘蔵城絵図一挙公開!」という本を入手する
正保城絵図を見る方法は二つあります。
国立公文書館デジタルアーカイブ
一つ目は国立公文書館デジタルアーカイブです。
下にリンクを貼っておきます。
デジタルデータなので繊細です。
拡大なども出来ますし、印刷もできるので便利です。
本
もう一つの方法は、下の本を入手することです。
「図説正保城絵図 -秘蔵城絵図一挙公開!」
です。
ただこれは2001年に出された本なので、新品は入手することはなかなか難しいでしょう。
中古でもよければ Amazon などであると思うので探してみてください。
一応リンクを貼っておきます。
ちなみに筆者はこちらの本を持っています。
全てを一冊で見ることができるので、とても重宝しています。
まとめ
- 江戸幕府が諸藩に命じて作成させた城絵図
- 城の軍事機密を描いた極秘資料
- 現在残されているのは63点のみ
正保城絵図は江戸時代に幕府によって各班に描かせた城の最高機密です。
現在も残っているものがあり、Web や本などで確認することができます。
城好きなら押さえておきたい城絵図ですので一度ご覧ください。
ということで証拠しろえずについての解説でした。
じゃあね🖐️
2020年01月22日
犬山城マイスター!たかまる。
たかまる。
「お城のすべて」は城郭検定の公式参考書にもなっていますよ。
「日本の城事典」はまさしく事典です。わからなくなったらこれで調べるという一冊。