基本の二重櫓(にじゅうやぐら)

二重櫓(にじゅうやぐら)は近世城郭(きんせいじょうかく)の櫓の基本の形です。

櫓の中で格式が最も高い三重櫓は多くは作られませんでしたが、二重櫓はとてもたくさん作られました。

今回はその二重櫓について見ていきましょう。

役割

二重櫓は曲輪(くるわ)の隅や城壁の折れ曲がった、いわゆる出隅(でずみ)に建てられました。

これは物見の役割を果たすためです。

一階建ての多聞櫓(たもんやぐら)や城門の屋根越しに城外をうかがうことができるため、ニ階建ての二重櫓は重宝され、防衛上重要なところに配置されました。

そのためとても沢山作られました。

そして、現在でも多く残っています。

▲ 名古屋城の現存する東南隅櫓

現存する例

現存する例としては大阪城や名古屋城などをはじめ多数あります。

一覧表にまとめてみました。

高崎城旧本丸乾櫓二重二階(重箱櫓)
江戸城桜田櫓二重二階
江戸城西の丸伏見櫓二重二階
新発田城旧二の丸隅櫓二重二階
上田城西櫓二重二階
上田城北櫓二重二階
上田城南櫓二重二階
掛川城旧三の丸太鼓櫓二重二階
名古屋城東南隅櫓二重三階
名古屋城西南隅櫓二重三階
彦根城天秤櫓二重二階
二条城二の丸東南隅櫓二重二階
二条城二の丸西南隅櫓二重二階
園部城本丸巽櫓二重二階
大阪城千貫櫓矩折二重二階
大阪城乾櫓二重二階
大阪城一番櫓二重二階
大阪城六番櫓二重二階
姫路城「ホ」の櫓二重二階
姫路城「チ」の櫓二重二階
姫路城化粧櫓二重二階
姫路城「ワ」の櫓二重二階
姫路城「カ」の櫓二重二階
岡山城本丸月見櫓二重二階地下一階
岡山城西の丸西手櫓二重二階(重箱櫓)
備中松山城二重櫓二重二階
津和野城馬場先櫓二重二階
松山城乾櫓二重二階
松山城野原櫓矩折二重二階
大洲城本丸台所櫓二重二階
大洲城本丸高欄櫓二重二階
大洲城二の丸丸苧櫓二重二階
大洲城三の丸南隅櫓二重二階
福岡城伝潮見櫓二重二階
福岡城本丸祈念櫓二重二階
大分府内城人質櫓二重二階
臼杵城畳櫓二重二階
臼杵城卯寅ロ門脇櫓切妻造二重二階

▲ 掛川城の現存する太鼓櫓

 

▲ 岡山城の現存する月見櫓

形状

二重櫓の基本的な大きさは四間×五間(約8m×10m)です。

江戸城や大阪城といった江戸幕府が作った大城郭では、それよりも大きなニ重櫓をいくつも配置しました。

大阪城二の丸の千貫櫓などは、小さな天守に匹敵するぐらいの大きさです。

二重櫓は三重櫓に比べて格式が低いため構造上の制約が少なく、いろいろな形のものが作られました。

金沢城石川門の二重櫓は底面がゆがんだ台形のため、「菱櫓」(ひしやぐら)と呼ばれています。

大阪城二の丸の乾櫓はL 字型をしています。

また岡山城二の丸西の手櫓や高崎城乾櫓などは一階と二階が同じ大きさで、重箱櫓(じゅうばこやぐら)と呼ばれています。

まとめ

二重櫓は近世城郭の櫓の基本として各城郭でたくさん作られました。

また構造上の制約が少なく様々な形の二重櫓が作られ、現存しているものもあります。

犬山城には現存している二重櫓はほとんどありませんが、ジオラマでその姿を確認することができます。

ということで基本的な櫓である二重櫓のお話をしました。

じゃあね🖐️

2019年07月18日
犬山城マイスター!たかまる。

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