表御殿

かつて近世城郭に多く作られた御殿には、表御殿と奥御殿があります。

表御殿は藩主が政治を行う場所、奥御殿は藩主の休息する場所となっていました。

そのうちの表御殿について、今回は見てみたいと思います。

表御殿の構成

表御殿は玄関、広間、書院の三棟からできているのが基本です。

表御殿は正式な対面の場所でもあるため、障壁画や彫刻で飾られ最も豪華な造りとなっています。

その中でも玄関よりも広間、広間よりも書院の方が格が高く作られていきました。

三つの棟

表御殿基本の三棟を順番に見てみましょう。

玄関

玄関は古い呼び方では遠侍(とおざむらい)と言います。

正面には式台(しきだい)という低い板敷きが突き出しています。

侍が正式に登城する時には、式台から広間に上がって行きました。

▲ 復元された名古屋城本丸御殿。玄関の造りも絢爛豪華(写真:たかまる。)

広間

広間は表御殿の中でも特に贅沢な作りになっています。

一番奥が一段高い上段の間(じょうだんのま)という作りで、城主が着座するので着座の間(ちゃくざのま)とも呼ばれています。

上段の間には座敷飾りがあります。

いわゆる床の間と、その脇の棚、縁側に面した出窓の付書院(つけしょいん)、敷居を一段高くして襖を立てた帳台構(ちょうだいがまえ)からなっています。

その豪華さは城主の威厳を高めるためのものです。

また多くの場合、上段の間とそれに続く次の間の境には細かい縦格子(たてごうし)を入れた欄間(らんま)があります。

この欄間は城主と家臣との身分差を表す「結界」のような役割をしていました。

書院

書院は広間の奥に位置しています。

広間を小型にしたような造りで、上段の間や座敷飾りも供えられていました。

広間と書院が同じような作りで2棟あるのは、家臣の身分の違いに応じて対面の場所を変えるためです。

書院の方が広間よりも格式が高く作られていました。

御殿の天井

御殿の天井もその身分差を意識して作られています。

天井板を水平に張った普通の天井と、丸く中央をせり上げた折上天井(おりあげてんじょう)の2種類があります。

折上天井の方が格式の高い作りです。

さらに天井板を支える縁の通し方にも身分差をつけていました。

縁を平行に並べただけの竿縁天井(さおぶちてんじょう)、縁の断面を縦長の六角形にした猿頬天井(さるほほてんじょう)、正方形の格子に組んだ格天井(ごうてんじょう)、格天井をさらに細かい格子で区切った小組格天井(こぐみごうてんじょう)の4種類があります。

竿縁天井、猿頬天井、格天井、小組格天井の順で格が上がっていきます。

まとめ

御殿の中でも政庁として使われた表御殿には、玄関、広間、書院の三棟がありました。

それぞれの部屋などは格式を意識して、序列を造っていました。

ということで、表御殿はどのような造りをしていたのかというお話でした。

じゃあね🖐️

2019年08月01日
犬山城マイスター!たかまる。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です


上の計算式の答えを入力してください

CAPTCHA