惣構え(そうがまえ)

惣構え(そうがまえ)というお城の構造をご存知でしょうか?

この記事ではお城全体だけではなく町全体をも囲った惣構えという敵を侵入させない工夫についてご紹介します。

お城巡りで街に出かけたとき、惣構えの足跡を見ることができます。

お城巡りを一歩も二歩も深くしたい方には必見の内容です。

惣構え(そうがまえ)とは?

▲ 姫路城の惣構えは約2.0㎢の広さだった。(写真:たかまる。)

  • 惣構えとは、城下を土塁や石垣などの防御施設で囲った空間のこと
  • 城郭全体を囲むだけでなく、城下を含む外側に防衛線が設けられた
  • 総構え(そうがまえ)、総曲輪(そうぐるわ)、総郭(そうぐるわ)ともいう

惣構え(そうがまえ)とは、城下を土塁や石垣などの防御施設で囲った空間のことで、その防御施設そのもののことも差します。

総構え(そうがまえ)、総曲輪(そうぐるわ)、総郭(そうぐるわ)とも言います。

城郭が軍事目的の施設であった戦国時代から、政治の場としての施設としての役割を持つようになると、城郭全体を囲むだけでなく城下を含む外側に防衛線が設けられるようになりました。

つまり、これが惣構えです。

惣構えに設けられた堀のことを惣堀(総堀、そうぼり)と言います。

外堀と言われることもありますが、城郭の外側の堀のことも外堀と言います。

時代によって惣構えの役割が変わる

▲ 小田原城は惣構えでも有名。(写真:たかまる。)

  • 戦国時代は惣構えの内側には城主、家臣の住居があった
  • 城主直属の商人や職人たちの住居も
  • 惣構えの内側に住む人々は、惣構えを防衛した

惣構えといっても時代によってとらえ方、役割が異なります。

戦国時代

戦国時代の惣構えは本丸、二の丸といった城の中心施設がありました

さらに家臣の住居城主直属の商人や職人たちの住居もありました。

つまり惣構えは、家臣が住んだ場所を囲ったものといえます。

また、惣構えの内側に住む人々は、惣構えを防衛したと考えられます。

町人であっても非戦闘員であっても、敵が攻めてきた時にはみんなで惣構えを守っていたということを示しています。

江戸時代

江戸時代になると兵農分離が進んで、武士以外の身分の人々は鉄砲や槍、弓矢などを持って戦うことを禁じられました。

そのため、武士や町人だけでなく寺なども惣構えの内側に住むようになっていきました。

そして武士を頂点とする国づくりが進んでいったのです。

惣構えは都市全体を囲むようになり、惣構えの中で身分による住み分けが行われました。

無造作に住むところが割り当てられたわけではなく、寺は集められて寺町(てらまち)となり、町人は街道沿いに住むようになりました。

城郭に近い部分には身分の高い家臣が住み、少し離れたところには城主の別荘とも言える下屋敷(しもやしき)が作られました。

いろいろな惣構えの例

出典:小田原城総構範囲の遺構図(小田原市史 別編 城郭 1995 小田原市教育委員会)

  • 惣構えは様々な城にあった
  • 総延長は、江戸城が約15㎞、小田原城が約9㎞
  • 江戸がダントツに大きかった

惣構えのあった主な城郭

  • 江戸城
  • 小田原城
  • 大坂城
  • 有岡城
  • 姫路城
  • 大和郡山城
  • 岡山城
  • 広島城
  • 彦根城
  • 福岡城
  • 大分城
  • 小倉城
  • 桑名城
  • 長浜城
  • 岐阜城
  • 清須城
  • 金沢城
  • 犬山城
  • 伏見城
  • 水戸城
  • 福山城
  • 萩城
  • 明石城
  • 館林城
  • 盛岡城
  • 岸和田城
  • 久保田城
  • 米沢城
  • 松江城
  • 高知城

など

惣構えの総延長距離

城郭の規模を表すのに、縄張りの総延長があります。

惣構えは城の一番外側と言えるので、その総延長距離を見てみましょう。

1位は江戸城、約15㎞です。

2位は小田原城、約9㎞です。

3位は大阪城で、約8㎞です。

何も難攻不落の大城郭です。

惣構えの面積

惣構えの面積も大きさを表す指標の一つです。

実際にはどこまでが惣構えなのかが不明瞭な部分が多く一概に比較することはできませんが、おおよそ主な城の面積は下の表のようになります。

惣構えのおよその面積(㎢)
江戸城17.1
豊臣大坂城4.0
小田原城3.2
姫路城2.3
金沢城2.0
有岡城0.5
犬山城0.5

ダントツ一位は江戸城、ついで豊臣大阪城や小田原城が大城郭でした。

▲ 金沢城の惣構えの図(金沢市文化スポーツ局文化財保護課のパンフレットより)

 

まとめ

  • 惣構えとは、城下を土塁や石垣などの防御施設で囲った空間のこと
  • 城郭全体を囲むだけでなく、城下を含む外側に防衛線が設けられた
  • 総構え(そうがまえ)、総曲輪(そうぐるわ)、総郭(そうぐるわ)ともいう

総構とは城下町全体を堀や土塁などで囲ったものを言います。

城郭だけではなく、城に関わる武士や家臣、町人、商人、工人などが住むところまで街全体を防衛施設として守るという社会の構造とも言えます。

今でもあちこちにその面影が残っているところがあると思いますので、ぜひお城の近くを散策して惣構えを探してみてください。

ということで、惣構えについてのお話でした。

じゃあね🖐️

2019年10月15日
犬山城マイスター!たかまる。

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