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【お城の基礎知識】お城の意図や用途は立地でわかる-山城・平山城・平城

城は築城する環境によって、山城(やまじろ)、平山城(ひらやまじろ)、平城(ひらじろ)の三つのタイプに分けることができます。

お城の立地を見ることで、そのお城の用途や意図がわかります。

今回はこれについて深掘りしていきます。

お城の意図や用途は立地でわかる-山城・平山城・平城

彦根城は平山城(写真:たかまる。)

  • 城には、山城(やまじろ)、平山城(ひらやまじろ)、平城(ひらじろ)の三つのタイプがある
  • 山城は「山」に築かれた城
  • 平山城は低い山や丘とその周辺を利用した城
  • 平城は平地に築かれた城

城は築城する環境によって、山城(やまじろ)、平山城(ひらやまじろ)、平城(ひらじろ)の三つのタイプに分けることができます。

山城は、自然の要害である「山」を利用して築かれた城です。

平山城は、低い山や丘、その周辺の平地を利用した城です。

平城は、平地に築かれた城です。

これら三つのタイプについて深掘りしていきます。

山城(やまじろ)

岐阜城は山城(写真:たかまる。)

  • 自然の要害である「山」を利用
  • 崖や谷などの天然の地形を使って防御
  • 山頂にある山城は攻めにくく、戦いにはとても有利な城

山城は、自然の要害である「山」を利用して築かれた城です。

弥生時代や飛鳥時代から山を城として利用してきました。

飛鳥時代には、朝鮮式山城(ちょうせんしきやまじろ)や神籠石式山城(こうごいししきやまじろ)とも呼ばれる古代山城(こだいやまじろ)が西日本を中心につくられました。

鎌倉時代以降になると、山の頂上や尾根に曲輪(くるわ)を設けた山城が作られるようになりました。

崖や谷などの天然の地形を利用して防御施設としました。

戦国時代になると、戦国大名によって大規模な山城が作られるようになりました。

多くの曲輪を山の構造に合わせて作りました。

また、石垣や土塁などで防御力を高めました。

そのため、山頂にある山城は攻めにくく、戦いにはとても有利な城でした。

平山城(ひらやまじろ)

犬山城は平山城(写真:たかまる。)

  • 低い山や丘、その周辺の平地を利用
  • 戦国時代の終わり頃から登場
  • 防御機能と統治機能のバランスに優れている

平山城は、低い山や丘、その周辺の平地を利用して作られた城です。

戦国時代の終わり頃から登場するようになりました。

山城は防御力に優れているため戦の時には有利でしたが、平時には利用しにくい場所でもありました。

平和な時代が訪れるにつれて、防御機能と統治機能のバランスが求められ、軍事力に特化した山城よりも平山城が好んで作られるようになりました。

ちなみに、よく標高○○m以上は山城でそれ以下は平山城という説明を耳にしますが、実際には標高や比高における山城と平山城の明確な基準はありません。

平城(ひらじろ)

駿府城は平城(写真:たかまる。)

  • 平地に造られた城
  • 石垣や堀などの大規模な土木工事の技術による
  • 政治の場としても利用しやすい

戦が大規模な戦争になるにつれて、城の役割や大きさも変わってきました。

平山城が主流になりつつある中、さらに大きな城郭として平城が多く出現します。

平城は、平地に造られた城です。

これは江戸時代の初めに、築城技術が飛躍的に向上したことなども要因のひとつです。

石垣や堀などの大規模な土木工事(普請=ふしん)の技術が上がったことによって、山などの天然の地形を利用した城を作らなくても防御力の高い城を作ることができるようになったからです。

さらに政治の場としても利用しやすいということもあって、大規模な平城が主流になっていきました。

山城は戦向き、平城は政庁向き

日本三大山城のひとつ、岩村城(写真:たかまる。)

  • 天然の地形を巧みに利用した山城は、防御力が抜群で戦向き
  • 平白は統治がしやすく、政庁向き
  • 防御力と統治のしやすさのバランスがとても良いのが平山城

山城は比高(ひこう。山の近くの平らなところからの山の高さ)があって、周囲を見渡せる山の頂上や尾根を削って曲輪を作りました。

天然の地形を巧みに利用した山城は、防御力が抜群で戦向きの城です。

一方で平城は平地に築かれた城で、自然地形などの防御力は低いですが、堀や石垣、櫓、門などで守りを固めました。

また土地を広く使えるという利点もあり、城下町も大きくなりました。

つまり、平城は統治のしやすさが利点で、政庁向きな城です。

平山城は低い山や丘に築かれた城で、山城に比べて防御力は劣っていましたが、天然の地形と石垣や塀、門、櫓などをうまく活用して防御力を高め、さらに麓には城下町を整備しました。

そのため、防御力と統治のしやすさのバランスがとても良いのが平山城で、多く作られた城です。

このように三つのタイプの城はそれぞれの特徴があり、立地を見ることでそのお城の用途や意図がわかるのです。

まとめ

江戸城は政庁むきの平城(写真:たかまる。)

  • 城には、山城(やまじろ)、平山城(ひらやまじろ)、平城(ひらじろ)の三つのタイプがある
  • 山城は「山」に築かれた城、平山城は低い山や丘とその周辺を利用した城、平城は平地に築かれた城
  • それぞれの特徴があり、立地を見るとそのお城の用途や意図がわかる

城は築城する環境によって、山城、平山城、平城の三つに分かれ分けることができます。

それぞれの特長は以下の通りです。

  • 天然の地形を巧みに利用した山城は、防御力が抜群で戦向き
  • 平白は統治がしやすく、政庁向き
  • 防御力と統治のしやすさのバランスがとても良いのが平山城

城の立地を見ることで、そのお城の用途や意図がよく分かると思います。

お城めぐりの際には、立地も見るべきポイントとして押さえておくと、一段とお城巡りが楽しくなると思いますよ

ということで、お城の意図や用途は立地でわかる-山城・平山城・平城というお話でした。

じゃあね🖐️

2020年01月16日
犬山城マイスター!たかまる。

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