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デアゴスティーニ「日本の城 DVD コレクションvol.8犬山城」は犬山城の事をざっくり知るには良き本・雑誌です。

デアゴスティーニ「日本の城 DVD コレクションvol.8犬山城」は犬山城の事をざっくり知るには良き本・雑誌です。

天険の地に建つ”後堅固”の城

天下人が奪い合った砦

というタイトルのDVD+雑誌で、犬山城のことがおおよそ網羅できている良い雑誌です。

犬山城のことを知りたい人におススメです。

デアゴスティーニ「日本の城 DVD コレクションvol.8犬山城」は犬山城の事をざっくり知るには良き本・雑誌です。

デアゴスティーニ「日本の城 DVD コレクションvol.8犬山城」は犬山城の事をざっくり知るには良き本・雑誌です。

天険の地に建つ”後堅固”の城

天下人が奪い合った砦

というタイトルのDVD+雑誌で、犬山城のことがおおよそ網羅できている良い雑誌です。

犬山城のことを知りたい人におススメです。

詳しく見ていきます。

 

犬山城が天守だけではない。ということがよくわかる。

犬山城といえば国宝犬山城天守です。

が、お城は天守だけではありません。

この雑誌はそのことをよく伝えている構成になっています。

つまり、以下の5部構成になっているのです。

  • 城の成り立ち
  • 縄張りの秘策
  • 攻略戦術
  • 天守のからくり
  • 合戦実録

ここで注目したいのは、初めに「城の成り立ち」と「縄張り」を構成として持ってきているところです。

他の多くの雑誌では「犬山城天守」の話がほとんどです。

しかし、この雑誌では「地理的な要件と縄張り」についてを前半で詳しく述べています。

そこでは犬山城の本来の恐ろしさについて書かれています。

さらにそれを決定付けるかのように「攻略戦術」が解説されています。

しかも攻略戦術1は「正面突破」、

攻略戦術2は反対側の「水の手門からの戦術」になっています。

この二つを両方とも書かれている本はあまり見かけません。

なのでそういった点でも面白い記述となっています。

天守の防御機能を明らかにしている。

続いて天守について。

豊富な写真とイラストで天守の防御機能について解説しています。

しかしメインとして取り扱っていない点は注目すべきところです。

付櫓、石落とし、階段の構造などについて書かれています。

合戦実録で3度の落城を解説。

最後に書かれた合戦実録では、信長・秀吉・家康の三英傑が犬山城をどのように攻めたのかについて書かれています。

特に信長の犬山城攻めと、秀吉による小牧・長久手の戦いの話が詳しく書かれています。

犬山城の本来の機能を知るには、秀逸な雑誌

▲ DVDがメインの雑誌。デアゴスティーニから発売。犬山城でオレンジ色というのが、著者たかまる。と同じだから何か運命を感じる(笑)

ここまで見てきたように、雑誌の構成が

「縄張の防御力」→「天守の防御力」→「実戦」

となっているため、

犬山城として実践をいかに潜り抜けてきたのか?

防衛のためにどのような仕掛けや工夫がされていたのか?

について知ることができます。

そのため天守だけではない犬山城の姿や、その城を巡る攻防について知りたい方にはこの雑誌は超おすすめです。

城とは元々はこうだったんだということが分かります。

残念なのは、間違った記述が散見されること

雑誌の構成も内容の密度も、犬山城のことを知る上で他の雑誌に比べて、とても良い雑誌です。

しかし間違った記述がいくつもあり、その点は非常に残念です。

構成に面白みがあるだけに、もったいないなーというのが感想です。

具体的に見ていくと、

  1. ✖城の形態:梯郭式(ていかくしき) / 〇連郭式(れんかくしき)
  2. ✖城の北を流れる木曽川、東側を流れる郷瀬川を天然の堀として利用した / 〇木曽川を天然の堀として利用した。
  3. ✖黒門跡のキャプション(左手に樅の丸、右手に桐の丸) / 〇左手に桐の丸、右手に樅の丸
  4. 小牧・長久手の戦いでの犬山城急襲が本当に水の手からなのか?

詳しく見てみると、

1.城の形態については連郭式が正しいでしょう。

犬山城の縄張りは本丸、二の丸(杉の丸、桐の丸、樅の丸、松の丸)、三の丸が南北に一直線に並ぶ連郭式(れんかくしき)と考えられます。

2.郷瀬川は明治19年に掘削により作られた人工の川で、戦国期から江戸時代にかけては存在していませんでした。

従って郷瀬川を天然の堀として利用したというのは、間違っています。

しかもこの川は犬山城の外堀とは違う位置に掘られており、堀を利用した川でもありません。

詳しくはコチラの記事で解説しています。

犬山城の外堀だと思ったところは、明治に作られた郷瀬川だった。

3.黒門跡の写真のキャプションが間違っている。

写真は岩坂から黒門を眺める方向となっており、右手に樅の丸(もみのまる)、左手に桐の丸があるのが正しい。

記述では左手に樅の丸、右手に桐の丸とあるが間違い。

4.小牧長久手の戦いにおける池田恒興の犬山城急襲について。

この点については、進行ルートには諸説あります。

雑誌にもそのことが記載されています。

が、鵜沼城から犬山城へ攻め入ったという記述と図が大きく描かれています。

キャプションには「その出典としている「太閤記」では池田恒興は宇留馬(うるま)の川べりに待機させた兵を船で対岸に渡して犬山城を攻略したとある。」と書かれています。

しかし、犬山城の木曽川対岸の一体は鵜沼と呼ばれており、太閤記では直接的に「鵜沼城」のことを指しているかどうかは分かりません。

しかも小牧長久手の戦いの時には鵜沼城はすでに廃城となっていたこと、鵜沼城は犬山城よりも小さな独立した山であること、鵜沼城の西、犬山城の北西には犬山城よりも大きな伊木山がありそこには伊木山城があったことなどから、著者はは伊木山城を拠点として、夜陰に乗じて木曽川を渡り犬山城の西側より攻め行ったと考えています。

詳しくはコチラで

【小牧・長久手の戦い/犬山城の戦い】 池田恒興、犬山城を奪う!

この雑誌では水の手門から七曲道を駆け上がって本丸へ進んだとか書かれていますが、そのとき犬山城を守っていた中川清蔵主は犬山城の南西(中門)の辺りで打ち果てたとの逸話も残っています。

急峻な水の手から七曲道を駆け上がるよりも、西側から攻めた方が確実に攻め落とせるのではないか?というのが著者の見解です。

これについては諸説あるので今後も引き続き研究していきたいと思います。

このように、いくつかの記述間違いがあるので、上のを参考に頭の中を整理しておいてください。

メインの DVD は見やすいけど、映像はちょっと古い

この日本の城 DVD コレクションは、雑誌がメインではなくて DVD がメインです。

そして内容は BS 朝日で以前放送されていた「歴史ミステリー日本の城見聞録」がベースになっています。

おそらくそれを若干再編集していると思われます。

これが放送されていたのが2015年なので5年前です。

しかし犬山城の風景などの使われている映像はもっと古いものではないかと思われます。

せっかくなので番組に合わせて、もしくはこの DVD を発売するのに合わせて新しい映像を撮ってもよかったのになぁと少し残念に思っています。

DVD 自体は45分弱で、そこでは語り尽くせなかった部分などが雑誌に細かく載せられているというような構成になっています。

DVD では城とまちミュージアム(犬山市文化史料館)にあるジオラマと現地の映像をうまく組み合わせて、理解がしやすいように工夫されていました。

先ほども述べた通り犬山城全体を把握する上ではこの DVD をまずは見ることをお勧めします。

しかも実際の映像とジオラマの映像を使用しているため、城を立体的に把握することができます。

つまり、その高低差や後堅固の断崖絶壁なども映像でよく見ることができます。

内容については著作権の関係であまり詳しくお話できませんが、天守だけではない城全体の探索なども行なっているため、その縄張りや城がいかに強固な守りを備えていたかということがよく分かると思います。

犬山城に来たことがなければ、この DVD を見てから来ることを強くおススメしたいです。

また犬山城に来たことがあったとしても 、このDVD を見てもう一度来てみてはどうでしょうか

映像で解説していたことと実際自分の目でそれを確認してみると、また犬山城のスケール感なども体感できると思います。

まとめ

  • 犬山城の本来の機能を知るには、秀逸な雑誌
  • 間違った記述が散見されるのが、ちょっと残念
  • メインの DVD の映像はちょっと古いへど、見やすい

デアゴスティーニから発売された「日本の城 DVD コレクション vol 8犬山城」についてレビューしました。

他の雑誌などと異なり、地形や縄張りなどを前面に出して犬山城の強固さを解説しているという点で、高く評価されるべき雑誌です。

著者は犬山城には何度となく、いや、毎日のように訪れていますが、この DVD で訪れていたところにもう一度同じように訪れてみたいと思いました。

また違った犬山城姿が見えるかもしれません。

ぶっちゃけこの雑誌は買いだと思います。

映像がメインになっているのもポイントが高いですね。

ぜひ購入して、雑誌と DVD を見たら犬山城に遊びに来てください。

ということで、デアゴスティーニから発売された「日本の城 DVD コレクション vol 8犬山城」のレビューでした。

じゃあね👍

2020年06月10日
犬山城マイスター!たかまる。

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