犬山城をワイガヤする会
「チームわいまる。」登録 募集中

【お城の基礎知識】むかし、国宝だった城・24城

2019年現在、国宝に指定されているお城・天守は五城です。

しかし、昭和20年頃には国宝に指定されていたお城が24城あったのをご存知でしょうか?

今回は、むかし国宝だった24城について紹介します。

むかし、国宝だった城・24城

広島城(写真:たかまる。)

  • 2019年12月現在、国宝指定の城は五城
  • 昭和20年ごろ、国宝指定の城は24城
  • 今は文化財保護法。以前は国宝保存法だった

2019年12月現在、国宝に指定されているお城すなわち天守は五城です。

国宝五城
姫路城(兵庫県姫路市)

彦根城(滋賀県彦根市)

松本城(長野県松本市)

犬山城(愛知県犬山市)

松江城(島根県松江市)

これは現在の“文化財保護法”によって指定された「国宝」です。

現存12天守と国宝五城については、下記の記事で詳しく↓↓↓

【お城の基礎】現存十二天守と国宝五城

しかし文化財保護法の以前の法律である“国宝保存法”によって国宝に指定されていた城郭は全部で24城がありました。

むかし、国宝だった城・24城
名古屋城(愛知県名古屋市)

姫路城(兵庫県姫路市)

仙台城(宮城県仙台市)

岡山城(岡山県岡山市)

福山城(広島県福山市)

広島城(広島県広島市)

熊本城(熊本県熊本市)

首里城(沖縄県那覇市)

丸岡城(福井県坂井市)

宇和島城(愛媛県宇和島市)

高知城(高知県高知市)

犬山城(愛知県犬山市)

金沢城(石川県金沢市)

和歌山城(和歌山県和歌山市)

松江城(島根県松江市)

松山城(愛媛県松山市)

松本城(長野県松本市)

大垣城(岐阜県大垣市)

弘前城(青森県弘前市)

二条城(京都府京都市)

備中松山城(岡山県高梁市)

松前城(北海道松前郡松前町)

丸亀城(香川県丸亀市)

高松城(香川県高松市)

国宝保存法とは

旧国宝第一号・名古屋城(写真:たかまる。)

  • 国宝保存法は文化財保護に関する法律
  • 1929年から1950年(昭和4年から昭和25年)まで施行されていた
  • 1950年(昭和25年)からは文化財保護法
  • 「旧国宝」と「重要文化財」は同等

ここで、ちょっと法律のお勉強です。

ではこの24城が国宝に指定された元となっている“国宝保存法”というのはどういう法律でしょうか?

これは1929年(昭和4年)3月28日に施行された文化財保護に関する法律です。

国有、公有、私有を問わず、日本にとって歴史的や文化的価値の高いものについて国宝と指定するものです。

しかし第二次世界対戦後の1950年(昭和25年)に文化財保護法が施行され、それに伴い国宝保存法は廃止されました。

国宝保存法によって指定されていた国宝を「旧国宝」という場合があります。

この「旧国宝」は現在の文化財保護法ではすべて“重要文化財”に指定されています。

ひとことメモ

よく、“旧国宝”から“重要文化財”に「格下げになった」と思われる方が見えますが、そうではありません。

国宝保存法における“旧国宝”と文化財保護法における“重要文化財”は、国が指定した有形文化財という点で同等のものであり、格下げされたものではありません。

そして、その重要文化財の中から「世界文化の見地から価値の高いもので、類ない国民の宝であるもの」が改めて国宝に指定されています。

旧国宝24城はどうなったか?

岡山城(写真:たかまる。)

  • 戦災により焼失してしまった
  • 地震、火災などでなくなってしまった
  • 重要文化財に指定された

先ほど示した旧国宝24城はどうなったのかを見ていきたいと思います。

1.戦災により焼失してしまった

旧国宝24城の中で、第二次世界対戦の時の空襲によって焼失してしまったものがいくつもあります。

  • 名古屋城(大天守、小天守、東北隅櫓、表一の門、表二の門、東一の門、東二の門、不明門、正門)
  • 仙台城(大手門、隅櫓)
  • 岡山城(天守、石山門)
  • 福山城(天守、御湯殿)
  • 広島城(天守)
  • 首里城(守礼門、瑞泉門、白銀門)
  • 松山城(天神櫓、馬具櫓、太鼓櫓、巽櫓、乾門、乾門東続櫓、太鼓門、太鼓門続櫓、乾門西塀、太鼓門東塀、太鼓門西塀)
  • 大垣城(天守、艮隅櫓)
  • 宇和島城(追手門)
  • 高松城(三の丸の桜御門)

この戦災による焼失で国宝の指定が外されました。

2.地震、火災などでなくなってしまった

残念ながら失火により焼失してしまった天守もあります。

  • 松前城天守(火災により焼失)

3.重要文化財に指定された

文化財保護法ではすべて重要文化財に指定されましたので、上記以外の建物は重要文化財となりました。

  • 熊本城(旧国宝に指定されていた建物)
  • 金沢城(石川門、表門、三十間長屋、土蔵など)
  • 二条城(二の丸御殿は“住宅”として国宝に指定)
  • 高松城(北の丸月見櫓、北の丸水手御門、北の丸渡櫓、旧東の丸艮櫓(丑寅櫓))

旧国宝24城は何も名城

大垣城(写真:たかまる。)

  • 旧国宝24城はいずれも名城
  • 天守を外観復元したり、その他の建物を復元した城もある
  • 日本のシンボルとなっているお城ばかり

先のリストで見てもらうととてもよく分かると思いますが、旧国宝24城はいずれも名城と呼ばれるにふさわしいお城です。

残念ながら戦災によって焼失してしまったお城もありますが、その一部が残っていたり、天守に至っては外観復元されたりして、当時の姿を一部取り戻しているお城もあります。

これらのお城は今でも町のシンボルであり、日本のシンボルとなっているお城ばかりです。

ただただ漠然とお城巡りをするのではなく、旧国宝24城すべてを巡ってみるという楽しみ方はいかがでしょうか?

きっと以前は国宝だったということが納得できると思いますよ

筆者はまだ行ったことがないお城がいくつかありますので、全て巡れるように計画していきたいと思います。

まとめ

  • 2019年12月現在、国宝指定の城は五城
  • 昭和20年ごろ、国宝指定の城は24城
  • 今は文化財保護法。以前は国宝保存法だった

現在の文化財保護法より以前の法律において、国宝に指定されていたお城は24城ありました。

戦災で焼失してしまったり、法律が変わったことにより国宝の指定が解かれたものもありますが、いずれも日本のシンボルとして今でも名城と呼ばれる城ばかりです。

ぜひ一度は訪れていただきたいお城です。

ということで、むかし国宝だった城・24城をご紹介しました。

じゃあね🖐️

2019年12月20日
犬山城マイスター!たかまる。

コメントを残す