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【お城の基礎知識】天下普請(てんかぶしん)で建てられた城

お城の本やカタログ、案内板などで「天下普請」(てんかぶしん)という言葉を目にしませんか?

普請とはお城の土木工事のことですが、天下普請とは江戸幕府が大名に土木工事を命じて作らせることを指します。

では、どんな城が天下普請で作られたのか見ていきましょう。

お城を違った見方で巡りたい方におススメの記事です。

天下普請(てんかぶしん)で建てられた城

江戸幕府による天下普請で建てられた城を、年代ごとに分けてご紹介します。

第一期:慶長10年(1605)ごろまで

膳所城(近江国、滋賀県):1601年

膳所城公園

天下普請の第一号の城。

慶長6年(1601)に徳川家康が縄張りを藤堂高虎にさせて、諸大名に命じて普請をさせました。

慶長7年(1602)には戸田一西が初代城主として入封しました。

琵琶湖の中に石垣を築いているのが特徴で、本丸と二の丸を配しています。

本丸には四重四階の天守が建てられていたと言われます。

現在は公園となっていますが、石垣が若干残る程度です。

築城年慶長6年(1601)
当時の城主戸田一西
住所大津市本丸町7
開館時間 
休館日 
入場料 
ウェブサイトhttps://www.biwako-visitors.jp/spot/detail/802

二条城(山城国、京都府):1601年~1606年

二条城二の丸御殿(写真:たかまる。

慶長6年(1601)に徳川家康が天下普請により建てさせた城です。

総奉行は京都所司代の板倉勝重だそうで、城自体は慶長8年(1603)に完成、天守は慶長11年(1606)に完成しました。

当時は現在の二の丸程度の広さだったとか。

五重の天守が建てられていたそうで、大和郡山城の天守を移築した説と新築した説があるようです。

現在の二条城は、三代将軍家光が増築を行って完成したものです。

築城年慶長6年(1601)~慶長11年(1606)
当時の城主 
住所京都市中京区二条通堀川西入二条城町541
開館時間午前8時45分~午後4時(閉城 午後5時)
休館日年末 12月29日~31日
入場料一般1,000円、中学生350円、小学生200円
ウェブサイトhttp://nijo-jocastle.city.kyoto.lg.jp/

福井城(越前国、福井県):1601年~1607年

福井城は結城秀康の城に改修された(写真:たかまる。)

慶長6年(1601)に天下普請により、柴田勝家が築城した北ノ庄城を大幅に改修して築城しました。

城主は家康の子・結城秀康で、北陸の諸大名に普請させたそうです。

当時は北ノ庄城と呼ばれていたそうで、後に福井城に改名されました。

福井城の内堀や天守台が残りますが、本丸には県庁などの建物が建てられており違和感を覚えます。

本丸の入り口には結城秀康の銅像が建てられています。

築城年慶長6年(1601)~慶長12年(1607)
当時の城主結城秀康
住所福井県福井市大手三丁目
開館時間見学自由
休館日なし
入場料なし
ウェブサイトhttps://www.fuku-e.com/010_spot/?id=16

加納城(美濃国、岐阜県):1602年~1603年

岐阜城を廃城にして作られたのが加納城(写真:たかまる。)

加納城は、徳川家康が岐阜城を廃城にして新たに築かせた城です。

縄張りは徳川家康が自ら行ったと言われ、普請奉行は本多忠勝です。

慶長7年(1602)7月1日から築城が開始されました。

城主は徳川家康の娘・亀姫の夫である奥平信昌(奥平貞昌)です。

岐阜城の天守を二の丸御三階櫓に転用したと言われています。

築城年慶長6年(1601)~慶長11年(1606)
当時の城主奥平信昌
住所岐阜県岐阜市加納丸之内7
開館時間見学自由
休館日なし
入場料なし
ウェブサイトhttps://gikyobun.or.jp/maibun/iseki/kanou.html

彦根城(近江国、滋賀県):1603年~1606年

井伊家の居城・彦根城(写真:たかまる。)

徳川四天王の一人・井伊直政を初代城主とする城で、関ヶ原の戦いののちに天下普請により築城されました。

直政が慶長7年(1602)に計画しましたが死去したため、嫡男の直継が引き継いで慶長8年(1603)より築城を開始。

完成は実に20年後でした。

佐和山城や大津城などの石垣や建物を移築したとされます。   

築城年慶長8年(1603)~
当時の城主井伊直継
住所滋賀県彦根市金亀町1-1
開館時間8時30分~17時
休館日なし
入場料一般600円、小中学生200円
ウェブサイトhttps://www.hikoneshi.com/jp/castle/

江戸城(武蔵国、東京都):1603年~1614年(慶長期天下普請)

後に世界最大級の城となった江戸城(写真:たかまる。)

慶長8年(1603)に徳川家康が江戸に幕府を開いたのち、天下普請により江戸城の拡張が開始されました。

天下普請は慶長期、元和期、寛永期と続き、実に50年以上の時間を費やしながら整備を進めました。

最初の慶長期天下普請では、天守台の築造を黒田長政、石垣普請を山内一豊、藤堂高虎らが勤めました。

築城年慶長8年(1603)~慶長19年(1614):慶長期天下普請
当時の城主徳川家康
住所東京都千代田区千代田1-1
開館時間9:30~16:00(入園)
休館日 
入場料無料
ウェブサイト 

第ニ期:大坂の陣・慶長20年(1615)まで

駿府城(駿河国、静岡県):1607年~1608年

工事中

篠山城(丹波国、兵庫県):1609年

工事中

名古屋城(尾張国、愛知県):1609年~1612年

工事中

丹波亀山城(丹波国、京都府):1609年~16010年

工事中

伊賀上野城(伊賀国、三重県):1611年~1615年

工事中

高田城(越後国、新潟県):1613年~1614年

工事中

第三期:大坂の陣・慶長20年(1615)以降

大坂城(摂津国、大阪府):1620年~1629年

工事中

そもそも普請(ふしん)とは?

そもそも普請とは、お城の土木工事のことです。

お城そのものの工事と言っても過言ではありません。

中世の山城や平山城では地形を生かした堀や土塁、切岸、堀切などを造成して防御施設としました。

近世になると平野に城を築くことが多くなり、堀や石垣を作るなど大規模な工事が増えました。

普請についてはコチラ↓↓↓の記事でもどうぞ。

まとめ

江戸幕府が諸大名に作らせた「天下普請」のお城。

実はあそこもそうだったのかぁというお城もあったかもしれませんね。

こういった切り口でお城を見てみるのも面白いですね!

また違った目でお城巡りを楽しんでください。

ということで、天下普請についてのお話でした。

じゃあね🖐️

2019年10月28日
犬山城マイスター!たかまる。

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