城で用途が多い重要パーツと言えば「土塁」

曲輪(くるわ)の周りに土を盛り上げて固めた土手を土塁(どるい)と言います。

土塁は堀とともに作られる防御施設で、その用途は多岐にわたります。

今回はこの土塁について深掘りしていきます。

城で用途が多い重要パーツと言えば「土塁」

犬山城にある土塁(写真:たかまる。)

  • 土塁とは曲輪の周囲に造られた土手のこと
  • 堀とともに防御施設として多用
  • 用途は、弓矢や鉄砲の弾除け、敵を迎え撃つ時の足場など

曲輪(くるわ)の周囲に土を盛り上げて固めた土手のことを土塁(どるい)と言います。

土塁は、堀とともに防御施設として多用されました。

土塁の様々な用途を上げると、弓矢や鉄砲の弾除けとして使われたり、敵を迎え撃つ時の足場として利用されました。

また堀とセットで築かれることがほとんどで、土塁の上には塀や柵などを設けたり、近世城郭では多聞櫓などが作られ防御施設として重要な役割を果たしていました。

以下に深掘りしていきます。

土塁の作り方

  • 土塁とは、曲輪の周囲に土を盛り上げて固めた土手
  • 土を突き固めながら、高く積み上げたもの
  • 堀を掘った土を利用

土塁とは、曲輪の周囲に土を盛り上げて固めた土手のことです。

城を構成する区画のことを曲輪(くるわ)と言う。

つまり、土を突き固めながら高く積み上げたものが土塁です。

そしてその土はどこから持ってくるかと言うと、掘った土を利用しました。

様々な堀のカタチ

そうすることで、堀を造り、さらに土塁もできることになり、防御力がとても高くなりました。

土塁の種類と構造についてはコチラ↓↓↓の記事をご参考に。

土塁(どるい)の種類 土塁(どるい)の構造

土塁が使われるところ

江戸城にある土塁(写真:たかまる。)

  • 中世城郭では、城のほとんどの場所に土塁を造った
  • 近世城郭となると石垣が多用されたが、中心部や出入り口が中心
  • 中心部から外側は土塁を用いた

石垣の技術が発達して城に石垣がどんどん作られるようになるまでは、基本的には土を固めた土塁が主な防御施設でした。

石垣の構造

つまり中世城郭では、城のほとんどの場所に土塁が築かれていたのです。

そして、近世城郭となると石垣が多用されることになります。

石垣・積石の加工による分類 石垣・石の積み方による分類

しかし近世城郭でも土塁は築かれていました。

なぜなら広大な曲輪の周りに全て石垣を築くとなると、相当な石材が必要であり、土木工事もとても大掛かりなものになってしまうからです。

そのため、中心部に近いところや出入り口などは石垣を用いますが、それ以外の外側は土塁とすることも多かったのです。

堀を掘った土を利用しているので土塁は築きやすく、堀とセットで高い防御力を誇っていました

さらに堀を深く掘れば掘るほど土塁も高く積み上げられることになり、その高低差と長さで巨大な防御施設となりました。

土塁の用途

犬山城にある土塁(写真:たかまる。)

  • 土塁にはさまざまな用途がある
  • 弓矢や鉄砲の弾除け、足場、仕切りなど
  • 土塁の特徴を生かした用途である

土塁の用途は、基本的には弓矢や鉄砲の弾よけとして使われました。

その他には敵を迎え撃つ時の足場としても利用されました。

また城内の空間を使い分けする時に、仕切りとしても使われました。

土塁の用途
  • 弓矢や鉄砲の弾よけとして
  • 足場として
  • 仕切りとして

土塁は幅があるので、弓矢や鉄砲の弾が貫通することはありません。

それらの弓矢や弾よけとしては最適な防御施設といえます。

また城内の方が高く作られますが、土塁があることによって目隠しになったり鉄砲の弾込め中の防御にもなりました。

足場として利用することもあり、土塁の広い上面から槍や弓矢などで敵を狙い打つことができました。

武者走りは土塁の上面を横に移動するのに最適でもありました。

その他には、城内の空間を使い分けする場合に仕切りとして土塁が用いられました。

上位の方を一段高くして、その間に土塁を築いて仕切りとしたのです。

土塁と石垣の併用

彦根城の鉢巻石垣と腰巻石垣(写真:たかまる。)

  • 石材の調達が難しいところは、土塁が多用された
  • 城の中心部は石垣、外側は土塁という併用
  • 鉢巻石垣や腰巻石垣など、一部を石垣にする併用の仕方もある

広大な近世城郭では、全て石垣にすると石材の調達がとても難しくなってきます。

また、地域的に関東や東北地方では石材の調達が難しかったため、石垣が発達した後でも土塁を中心とした防御の形になっています。

先ほども書いたとおり、主要部は石垣、外側は土塁という併用の仕方のほかに、鉢巻石垣(はちまきいしがき)や腰巻石垣(こしまきいしがき)と併用する土塁が登場します。

鉢巻石垣とは、土塁の上部にのみ石垣を築いたものです。

腰巻石垣はその逆で、土塁の下部のみに石垣を築いたものです。

これは土塁の補強の意味もありました。

江戸城などでも鉢巻石垣と腰巻石垣が併用された土塁が築かれているところがあります。

土塁と塀や柵の併用

多門櫓の例。犬山城のジオラマ(写真:たかまる。

  • 土塁の上面には土塀や木柵を立てた
  • 防御と目隠しの利点があった
  • 近世城郭になると多門櫓も登場して、防御力が飛躍した

土塁の上面には土塀(どべい)や木柵(もくさく)を立てたりしました。

土塀(どべい)の種類

塀や柵があると土塁だけの場合よりも防御力が高くなったからです。

つまり塀や柵は弓矢や鉄砲などの防御ができることと、目隠しにすることができたからです。

中世の城郭では土塁の上に塀や柵を立てることが多く、土塁上部の塀の内側は武者走りと呼ばれ、通路などのスペースとされました。

また城兵はこのスペースで敵を迎え迎え撃っていました。

土塀(どべい)の構造

さらに近世城郭になるとこのスペースがなくなってきます。

塀などの代わりに建物が建てられたのです。

長屋のような平櫓である多門櫓(たもんやぐら)です。

中世では城兵は土塁の上面にある武者走りで敵を迎え撃っていましたが、近世城郭になると多門櫓が建てられたため、建物の中から城を防御するようになったのです。

土塁の上に建てられた多門櫓はその外観からも高い防御力を伺わせました。

まとめ

  • 土塁とは曲輪の周囲に造られた土手のこと
  • 堀とともに防御施設として多用
  • 用途は、弓矢や鉄砲の弾除け、敵を迎え撃つ時の足場など

土塁は曲輪の周りに土を盛り上げて固めた土手のことです。

基本的には弓矢や鉄砲の弾よけなどとして使われましたが、石垣や塀、多門櫓などと併用するようになり、さらに防御力が高くなっていきました。

土塁もどんどんと進化していったのです。

MEMO

堀と土塁はワンセットで考えても良いと思います。

お城めぐりの時は土塁を見つけたら堀があるかもしれない。

逆に堀があったら土塁があるかもしれない。

と思ってワンセットで探索すると、城の形や防御の仕方がより一層理解できて楽しくなると思いますよ。

ということで、城で用途が多い重要パーツと言えば土塁というお話でした。

じゃあね🖐️

2020年01月28日
犬山城マイスター!たかまる。

たかまる。

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